年度末進行で久しぶりの更新となりました。
恒例の年に一度の更新となります。

ブログを書き始めた時に、
三十路まで云々かんぬんと言っていた記憶がありますが
早いものでそれからもう約10年程になるのでしょうか。

更新頻度は思い出したら書く、といった状態でしたが
継続力に乏しいというかネタの少ない生活の私にしては
それでも長く続いているなと。

たまに読み返してみると、そんな事もあったなと
懐かしかったり恥ずかしかったり悲喜こもごもの感情が湧いてきます。

先日、Amazonの電子書籍で「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を見つけ
懐かしさもあり購入して再読してみました。

作品としては、1968年にフィリップ氏によって執筆された
近未来ものの小説です。
第三次世界大戦の戦争の影響で、人類が地球に住めなくなり
他の惑星に移住。
星間移動やテラフォーミングの技術、
人と変わらないようなアンドロイドが日常的に存在するほど
技術が発達した近未来です。

私が初めて読んだのは中学生の頃でした。
その時に感じた印象は
「ああ、近未来のイメージってこんな感じだよな」というものでした。

あの頃から10年強の月日と技術の進歩があった今読むと、
まだその近未来イメージに技術が追いついていなかったり、
その技術を追い抜いている部分があったりと別の視点で読むことができました。

作中にはフィリップ氏が思い描く近未来的なものが沢山でてきます。

部屋の中の風景(地面等の構成要素も)が一瞬にしてかわり、
仮想空間で山登りができるようなシステム。
これはまだ実現するには遠そうですね。

飛行車(エアバス)や機械式の動物(生きている動物は貴重)なども
実現しそうでまだまだ難しい技術でしょうか。

そんな中、フィリップ氏のイメージを超えたものもちらほらと。

固定電話。
今は携帯電話があり、近年ではスマフォ等のように更に使い勝手が良いものもあります。
店との電話で、電話中に「電話番号を教えて下さい」という会話があります。
ナンバーディスプレイ等も想定外だったのでしょう。

周波数によって、感情を制御できる「ムードオルガン」なる機械。
設定によって、「楽しい気分」「仕事をする気分」等を切り替える装置のようです。
この世界観の人たちは、これによって一日の感情を操作しているそうな。
この時間はこの感情、この時間になったらこの感情にといったタイムテーブルを組むといった感じに。

これ、機械そのものは近未来技術の塊なのですが
操作方法がダイヤル式だったりします。
「10番は〜の感情」「999番は〜の感情」といったような
とてもアナログな操作です。
今はタッチパネル等の技術があふれていますが、
このあたりのギャップも面白かったり。

後、この機械を操作する描写で
夫が妻に頼まれて、妻のダイヤルを弄ってる場面がありましたが
「え、だれでもいじれるとかセキュリティ大丈夫なの?」といった点も。
今はセキュリティなんて当たり前の概念ですが、
ダイヤル式ではセキュリティも何もなかったのでしょうね。


近未来物の作品では、他にも手塚修氏の火の鳥等が有名でしょうか。
私が生まれるより前に描かれた「近未来」は実現しているのかどうか。
私が若い頃に思い描いた「近未来」は実現しているのかどうか。
比較してみるとなかなか興味深く、面白いものです。

歳をとってくると、そういった楽しみも増えてくるのだろうなと思いました。
身体の衰えは感じ初めていますが、歳をとるのも悪いことばかりではないのですかね。


これから先、善かれ悪しかれまだまだ技術は発達していきます。
今交流がある友人や家族、またこれから出会う人達とまだまだ長く
この先の未来を一緒にみられればと思います。

2014.03.01
管理人(名称未設定)